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2010.04.14 Wednesday | - | - | -
ラットマン
ラットマン道尾 秀介

単行本: 290ページ
出版社: 光文社 (2008/1/22)
言語 日本語
ISBN-10: 4334925936
ISBN-13: 978-4334925932
発売日: 2008/1/22

プロローグっていうんでしょうかね、冒頭の数ページでぐ〜っと引き込まれますが思った展開とはなにやら様子が違う。アマチュアバンドSundownerが練習中、スタジオで起こった事件は事故なのかそれとも…。主人公姫川の過去の記憶がこの事件とオーバーラップしてゆきます。道尾さんが仕掛けてくるのは読者も分かってますがキーワードとなる文字の横に打たれた「、」点…まずこれに惑わされますね。どうしても深読みしてしまうんですよ。そして登場人物も読者の心も「先入観」や「思い込み」に翻弄されます。二転三転する展開に「真実はいったい…」と気になって途中では止められないように出来てます(笑)。気持ちよくだまされてくださいね。タイトルの意味もなかなか深いです。
2008.02.28 Thursday | [マ行]道尾秀介 | comments(0) | trackbacks(0)
モンスターマザー
モンスターマザー 世界は「わたし」でまわっている石川 結貴

単行本(ソフトカバー): 234ページ
出版社: 光文社 (2007/11/22)
ISBN-10: 4334975283
ISBN-13: 978-4334975289
発売日: 2007/11/22


15年間3000人以上のお母さんを取材してきた著者の「現代のお母さん論」を興味深く読みました。「お母さんらしくない日常」を「自分らしさ」に置き換える現代のママたちは「自己愛」に満ちていて、飾らない「素」の自分がカッコよく「世間の常識」に合わせたり迎合したりするのは「ダサい」らしい。実に的確にお母さん像の変遷が描かれてますがこれはお母さん像に限ったことではなく時代そのものだなぁと感じました。まぁ…あきれるような実態が山ほど出てきますがこれがひと握りの人たちじゃないとなると極めて深刻な問題なのではないかと思います。いずれにしても母親の責任を忘れてはいけないなと反省も含め改めて思うワタシでした。
2008.02.26 Tuesday | [ア行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)
そうだ、葉っぱを売ろう!
そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生横石 知二

ハードカバー: 216ページ
出版社: ソフトバンククリエイティブ; 四六版 (2007/8/23)
ISBN-10: 4797340657
ISBN-13: 978-4797340655
発売日: 2007/8/23


shortさんのオススメで早速読んでみました。わが地元民の目は節穴か…こんな元気本を新品のまま書架に放置してたようで手に取ったらまっさらでした。さて以前TVなどでもずいぶん紹介されていたので徳島県上勝町の葉っぱを売るおばあちゃんたちをご存知の方も多いはず。パソコンや携帯電話を操るおばあちゃんたちをみたときには衝撃が走りました。過疎が進む上勝町…農協の営農指導員として20歳でココにやってきた横石さんがこの「葉っぱビジネス」をみごと成功させるまでの約30年の奮闘記。ある日お寿司屋さんでつまものとして出されたもみじを見て「そうだ、葉っぱを売ろう」と思いつくわけですがこれがビジネスとして成功したのは並々ならぬ横石さんの努力があったから。理解ある妻に支えられ体をボロボロにしながらもなお楽しそうに元気に飛び回る横石さん。上勝町のおばあちゃんたちと築き上げた信頼関係は人と人との絆の大切さを教えてくれます。誰かに必要とされる喜びや働く楽しさを知り日に日に生き生きとするおばあちゃんたちが目に浮かぶよう。人は何かかしなければならないことがないとダメ。忙しいということは非常に大切なこと。「何もしなくていいよ」なんて言葉はおじいちゃんおばあちゃんにはちっとも嬉しくないのかもしれない。横石さんご自愛ください…家族のために上勝町のために。
2008.02.14 Thursday | [ヤ行]その他 | comments(2) | trackbacks(0)
虐待の家
虐待の家―義母は十五歳を餓死寸前まで追いつめた佐藤 万作子

単行本: 261ページ
出版社: 中央公論新社 (2007/11)
ISBN-10: 4120038858
ISBN-13: 978-4120038853
発売日: 2007/11


2003年11月大阪岸和田市で中学3年生の男の子が餓死寸前で病院に運ばれた。「しつけ」と称した虐待…暴力に加え食事を与えない日々が彼を24キロという体重までに痩せ衰えさせた。逮捕されたのは両親。全体像ではなくとくに義母佳奈子との3年に及ぶ交流から事件はなぜ起きたのかを分析したルポ。被害者である少年から話を聞くことはできないので彼の心は計り知れない。海野(父親)の実子2人の義母となった当初佳奈子は「私が笑顔にしてあげたい」と張り切っていたが気持ちばかりが空回りし少しずつずれが生じる。経済的困窮、子育てに無関心な海野への不満、いい母親にならなければと「しつけ」は「虐待」へとなっていった。自力で食事することも歩くこともできなくなるまで彼はなぜ逃げ出さなかったのだろうか。彼の父に対する執着が哀しく心に残る。
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2008.02.12 Tuesday | [サ行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)
ビット・トレーダー
ビット・トレーダー樹林 伸

単行本: 405ページ
出版社: 幻冬舎 (2007/10)
ISBN-10: 434401393X
ISBN-13: 978-4344013933
発売日: 2007/10


難しげな株の話から入るので一瞬引きましたが頑張った甲斐がありました。安く買って高く売れば儲かるってことが分かってれば何とかいけます。主人公矢部恭一は電車事故で幼い息子を亡くします。その慰謝料で始めた株にのめり込み彼の生活が一変。大金に翻弄され気づけば妻も娘も心はバラバラに…。家族をほったらかしにしてマネーゲームに興じてたんですから自業自得なんですがやがて彼は自分には守らなければいけないものがあることに改めて気づくんですね。ちょっと出来すぎの感はありますけど読後感はイイです。それにしても秒刻みで一喜一憂するデイ・トレード…まぁ私に資金があるわけじゃなしあったところで絶対無縁なので怖がる必要もないんですけど破滅寸前の恐ろしさを存分に味わいました。面白かった。
2008.02.10 Sunday | [カ行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)
ベーコン
ベーコン井上 荒野

単行本: 205ページ
出版社: 集英社 (2007/10)
ISBN-10: 408774891X
ISBN-13: 978-4087748918
発売日: 2007/10


イノウエ・アレノさんとお読みするんですね。直木賞候補作じゃなかったら多分手にしてなかった作家さん。『ベーコン』もよかったし同年代という親近感も手伝って興味深々…著書を遡って読んでみたい。さてこの作品は9つのメニューそれぞれにまつわる人間模様や複雑な思いが綴られている短編集。人間食べることが基本…誰にでも1つや2つ「これは忘れられない」という食べ物があるはず。この作品はそれがかなり大人テイストで綴られてます。9つのメニューはどれも美味しそう♪「ほうとう」も小麦粉から…だし「水餃子」の皮も手作り…アレノさんはきっとお料理をバリバリなさる方とお見受けしました。イチバン食べたいのは「アイリッシュ・シチュー」かな。「ベーコン」も捨てがたい…自家製の燻製は相当美味しいらしいですから。というわけで食いしん坊な大人の方にオススメ。
2008.02.06 Wednesday | [ア行]井上荒野 | comments(0) | trackbacks(0)
14歳
14歳千原 ジュニア

単行本: 189ページ
出版社: 講談社 (2007/1/13)
ISBN-10: 4062137992
ISBN-13: 978-4062137997
発売日: 2007/1/13


自分自身と懸命に闘いなかなかパジャマが脱げない浩史少年。14歳であそこまで悩みぬくというのは…家族はたまったもんじゃないけれどやっぱ類まれな感性の持ち主なんだろうな。変わり者って言ってしまえばそれまでだけど現在彼が醸し出す雰囲気が十分物語ってる気がするし意外な感じはない…むしろそれが彼の魅力となってる。好きなもんで(笑)。
僕は何が怖いんだろう。みんなと違うということが怖いのかな。それともみんなと同じになってしまうことが怖いのかな。
というクダリがとても印象的。分厚い壁にぶつかりもがいてもがいてとうとう暗く長いトンネルから抜け出すことができた息子の背中を見つめる両親の姿にやっと救われた。
2008.02.01 Friday | [タ行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)