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2010.04.14 Wednesday | - | - | -
マザコン
マザコン角田 光代

単行本: 227ページ
出版社: 集英社 (2007/11)
ISBN-10: 4087748839
ISBN-13: 978-4087748833
発売日: 2007/11


タイトルに惹かれました…中身もよかった。角田さんはどんどん私好みになってゆくー♪表題作を含む全8篇。描かれているのは全て自分にとっての母の存在について。母の影響力は子供にとって絶大で自分が幼かった頃の母の記憶は良くも悪くもとても懐かしい。誰しもがマザコンなんだろうなと思います。自分が成長するにつれ母の別の顔に気づき戸惑うあたりももウマく描かれていて共感。母は自由になるけれど年をとり病に伏しやがていなくなる。読んでいるとグーっと胸が締めつけられる場面に何度も出くわしました。母との関わりをあらためて考えてみる…。角田さんの思いが伝わるあとがきもステキでした。
2007.12.21 Friday | [カ行]角田光代 | comments(0) | trackbacks(0)
猫鳴り
猫鳴り沼田 まほかる

単行本: 205ページ
出版社: 双葉社 (2007/08)
ISBN-10: 457523589X
ISBN-13: 978-4575235890
発売日: 2007/08


猫好きの人が読むと私とは違った深い思いがこみ上げてくるのだろうと思います。沼田さんといえばミステリー…しかし今回はちょっと違うテイスト。モンという猫に関わる人たちの心の奥底が緻密に描かれてます…とても緻密に。コレって連鎖短編なんですかね。最後の物語は年老いた猫を年老いた飼い主が看取っていく様が描かれてるんですけど…話すことの出来ないモンの所作が全てを物語っていて生きる力とうらはらに物悲しさがじんわりとしみてきます。動物は言葉で意思を伝えることが出来きないだけに深いです(泣)。
2007.12.14 Friday | [ナ行]沼田まほかる | comments(0) | trackbacks(0)
悪人
悪人吉田 修一

単行本: 420ページ
出版社: 朝日新聞社出版局 (2007/04)
ISBN-10: 402250272X
ISBN-13: 978-4022502728
発売日: 2007/04


なかなか決定的な悪人が登場しない…どこで出てくるのか、やめられないでしょ気になって。保険外交員のオンナが出会い系サイトで知り合ったオトコに殺されてしまう。悲しみにくれながらも知らなかった娘の日常にとまどう両親、加害者に関わっている親戚や友人たちの心理など行動範囲は博多⇔長崎間、会話は終始博多弁および長崎弁で実にリアル。染み入るというかイヤ〜参りました(夫の故郷がストライク)。もう伏線だらけでどこでリンクしてくるのかこちらのアンテナもピリピリ。ガーっと引き込まれて一気です。殺人犯は悪人として裁かれる…けど罪を犯していなくても悪人はいます。なんかこう理屈では説明できないものが重く残ってる感じ。インパクトのある本でした。吉田さんってこういう感じなの?
2007.12.09 Sunday | [ヤ行]吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0)
栃木リンチ殺人事件―警察はなぜ動かなかったのか
栃木リンチ殺人事件―警察はなぜ動かなかったのか黒木 昭雄

単行本: 245ページ
出版社: 草思社 (2001/04)
ISBN-10: 4794210523
ISBN-13: 978-4794210524
発売日: 2001/04

「それは運命のいたずらなのだろう。きっかけはどこにでもある。」自分の手を汚さず悪事を繰り返す卑怯な男を主犯とした加害者たちによって大切な命が奪われた。この主犯格の男…警察官の息子だったというから呆れる。ご両親がいち早く正和さんの行動の異変に気づいていたにもかかわらずおかしな警察の対応。そしてちょうど今頃、12月初旬に正和さんは冷たい山中に遺棄された。残酷で凄惨なリンチが約2ヶ月間繰り返された後の絞殺である。その所業は読むに耐えない…ワタシが今さらココで「ヒドすぎる」と騒いだところでどうしようもないが、何のいわれもない無抵抗な正和さんをここまで痛めつける加害者たちの心は到底理解不能。どうしたらこんな人間が出来上がってしまうんだろうと恐ろしくなる。持って生まれたものなのか環境なのか。そして怒りを覚えるのは保身に走る大企業、言いなりの警察、極めつけは加害者たちに殺害を決断させてしまった警察官の不用意な一言。元警察官である作者黒木氏がここまで書ききったのに裁判もそれぞれの処分も納得のいくものではない…ご両親の心中を思うと胸が痛い。お母さまは事件後体調を崩し亡くなられている…正和さんと会えただろうか。
2007.12.06 Thursday | [カ行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)