島本 理生
単行本: 187ページ
出版社: 新潮社 (2007/08)
ISBN-10: 4103020326
ISBN-13: 978-4103020325
発売日: 2007/08
一昨年
ナラタージュが話題になっていたのに読みそびれ…本作品が島本さん初読み。あちこち酷評のなか…先入観ゼロのワタシとしては悪くなかった気がします。タイトルだけで読み解いてみるとムリヤリいい感じに見積もって「愛と死をみつめて的な恋愛劇」、もしくはやっぱこっち…「絶対許さない的な復讐劇」。内容はもちろん後者。主人公野宮朔は舞踏家の父と暮らす12歳の少女。舞踏に情熱を注ぐ父に振り回されながらも毎日健気に頑張る朔。ウチに抱える夢や悩み…そしてつらい出来事に懸命に立ち向かう強さ…強くならざるを得ない痛々しさ。この丁寧語の文体がそれらすべてを巧みに表現しています。疑うことを知らないピュアな心とドキッとするような大人びた思考が交錯する宙ぶらりんな年頃。思春期に向かう少女の繊細な心の描写もよかった。いつも不在がちの父が娘の異変に気づきプラネタリウムに連れてゆくシーンの
体の声に耳を傾けて、じっくり思考して、体にも心にも気持ちが良くて正しいと思えるものを選んで。いったん選んだら堂々として、それを信じてあげるんだ。そうしていれば大丈夫だから。朔ならきっとできるよ
という不器用な父流の励まし…どうですか?こんなオバサンが12歳の少女をつかまえて共感という言葉はおかしいけれど、ふっと少女時代の感情を想起させられた感があり、娘を持つ母親としてではなくむしろ本人になりすまして読んでいた(笑)。朔には凛としたステキな女性に成長して欲しいー。
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