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2010.04.14 Wednesday | - | - | -
でっちあげ
でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相福田 ますみ

単行本: 253ページ
出版社: 新潮社 (2007/1/17)
ISBN-10: 4103036710
ISBN-13: 978-4103036715



shortさん
の感想を拝見して即予約…ハァー怒りがおさまらない。2003年全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される事件が福岡の小学校で起こった。朝日新聞はこれをスクープ。週刊文春はさらに煽って実名報道までする加熱ぶり。男児両親の訴えは「アメリカ人を曽祖父に持つ息子に対し男性教諭が人種差別ともとれる虐待や暴言を繰り返している。それにより息子が重度のPTSD症状に陥っている。」というもの。この男性教諭を今すぐやめさせてくれとうい勢いで校長室にやってきたわけだけど当の先生は「寝耳に水」…いったいこの両親は誰のことをいってるのかと思ったという。こんな言いがかりかもしれない話を調査もなく受け入れる学校、そして安易な「謝罪」で「ここはひとつ穏便…」にという体質が事態を悪化させた。だいたいこの両親、先生に何の恨みがあったのか。これによって男性教諭は担任をはずされ停職6ヶ月、その後裁判に発展。ホントにこんなことが現実に起こっているのかとまぁ呆れる。元凶はもちろん件の両親だけどのこんな虚言に振り回されるマスコミ・大弁護士団・医師・学校関係者・市教委。お粗末としか言いようがないでしょう。事情をイチバン把握している同クラス保護者も関わりたくないとなかなか証言してはくれない現実。これもまた悲しく感じる。溺愛する息子の言い分を鵜呑みにし常軌を逸脱した行動をとる両親は現実と妄想が交錯してるんだろうか。「騒いだもん勝ち」なんて思わせないようしっかり審判してほしい。
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2007.07.30 Monday | [ハ行]その他 | comments(2) | trackbacks(0)
ローザの微笑
海月 ルイ

単行本: 269ページ
出版社: 文藝春秋 (2007/06)
ISBN-10: 4163260900
ISBN-13: 978-4163260907


プロデューサーである兵藤に六本木でスカウトされたローザは女子大生でありながらAV女優としてデビュー。マスコミにもてはやされ名を馳せるが…待ち受けていた転落の人生。読んでてイタかったけどローザはどうだろう。悲しいくらいあらゆる人を受け入れていつも微笑むローザに「不幸」という感覚はなかったのかもしれないね。何だか読みが浅いんだろうな〜…よくわからない。…でAmazonさん…なんで画像ないの?
2007.07.26 Thursday | [ア行]海月ルイ | comments(2) | trackbacks(0)
頭のうちどころが悪かった熊の話
頭のうちどころが悪かった熊の話安東 みきえ

単行本
出版社: 理論社 (2007/4/2)
言語 日本語
ISBN-10: 4652079028
ISBN-13: 978-4652079027


動物たちが繰り広げる小さな物語7つ。ユーモアたっぷりでセンスあふれるストーリー。シンプルなだけに深く考えさせられてしまいます。たまにはこういう目線で人生を考えるのもありかな…と。とても冷静な絵本でこれは子供ではなく大人向け。絵本は時として作者のメッセージがダイレクトに心に染み入りますね。私は「へびの恩返し」が好き。そして何より挿画がステキ!下和田サチヨさんLOVE♪
2007.07.19 Thursday | [ア行]その他 | comments(0) | trackbacks(1)
ソウルケイジ
ソウルケイジ誉田 哲也

単行本: 405ページ
出版社: 光文社 (2007/3/20)
ISBN-10: 4334925421
ISBN-13: 978-4334925420



今回もストロベリー・ナイトの主役姫川玲子が颯爽と登場。これは姫川シリーズと呼んでいいのね。前作の先入観もあり序章を読んだだけでこれからいったいどんなことが起きるのか「誉田さんまたアングラワールド?」とコワくなる。さて事件は多摩川河川敷に放置されていた車の中から血みどろの手首が発見されたところから。ホラ来た…バラバラですか(-_-;)。今回も登場人物たちの軽妙な会話とは裏腹に見えないけど目を背ける的なグロい描写がたびたび登場する。しかし本題はそっちではなくなく今回は父性愛を大きくクローズアップ…実にドラマチックに仕上がってます。姫川のライバル日下の父性を垣間見せてくれたれた誉田さんの計らいがステキ♪…でソウルケイジってなに?スティングのアルバム名?
2007.07.18 Wednesday | [ハ行]誉田哲也 | comments(2) | trackbacks(0)
夜のジンファンデル
夜のジンファンデル篠田 節子

単行本: 229ページ
出版社: 集英社 (2006/08)
ISBN-10: 4087748081
ISBN-13: 978-4087748086



現実なのかそうではないのか…。怖いけれど先が気になる、短編なのにどっぷりと濃い物語6篇にすっかり翻弄されてしまった。1篇目を読んだ後、ビビリの私は「次は何が来るの?」と恐々とページをめくりながらも結局止まらず一気読み。表題作は中では異質でスッキリした読後感と切なさが交錯する。篠田さんの短編集といえばやっぱりちょっとコワめの天窓のある家が面白かった記憶がある。そろそろやってくる熱帯夜、この本でゾクッと涼しくなってはいかが?
2007.07.10 Tuesday | [サ行]篠田節子 | comments(0) | trackbacks(0)
再婚生活
再婚生活山本 文緒

単行本: 285ページ
出版社: 角川書店 (2007/06)
ISBN-10: 4048839756
ISBN-13: 978-4048839754



文緒さんの新作…といっても野生時代に連載されてた日記をまとめたモノ。数年前HPで体調不良を知りずっとこの日を待っていたけど綴られていたのは文緒さんがウツ病と闘う日々。小説じゃないけどこの際どっちでもいっか…文緒さんが書いてるなら。私は山本文緒が大好きなのだ。うっかり引き受けてしまったというこの連載…とても辛かっただろうとお見受けする。特に前半、心のバランスが日に日に崩れてゆくあたりは読んでるコチラも心が痛くなった。それでも書かなきゃいけなかったのかな、でも書くことで立て直すことができたのかな…と考えてみる。どこまでもステキなのは文緒さんを陰になり陰になりひたすら陰になり支える王子(文緒さんの夫)。その王子にいつも申し訳ないと思ってるのにどうすることもできない文緒さん。文緒さんは死ぬほど王子に感謝している。王子に大きく包まれながら再婚生活はこれからもまだまだ続く…。もう読めないんじゃないかと思っていた久しぶりの文緒節は健在でこれからの作品がとても楽しみになった。待ってます…ゆっくりどうぞ。
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2007.07.08 Sunday | [ヤ行]山本文緒 | comments(0) | trackbacks(1)
メタボラ
メタボラ
桐野 夏生

単行本: 594ページ
出版社: 朝日新聞社 (2007/05)
ISBN-10: 4022502797
ISBN-13: 978-4022502797


久々の新刊は600ページ近くの大作。タイトルのメタボラとは新陳代謝という意味があるらしい。朝日新聞に連載していたものがやっと本になった。舞台は沖縄。ナイチャー・ウチナー等々沖縄弁が飛び交う。沖縄の方はすんなり入ってくるんだろうな…羨ましい。「自分はどこの誰なのか」記憶喪失の青年はギンジとして再出発。しかし明るい過去も未来も見えてはこない。悲しいくらい愚かな男たちの行く末はどうなるのか。まただ…この淀んだ空気にズルズルと引き込まれ先が気になってやめられない…桐野さん特有の展開である。社会の底辺でさまよう若者たちがリアルで言いようのない恐怖が…。社会に対応してゆけなくなると末路はココなのか。そういう若者を作り上げるのは家庭なのか社会なのか。読み終わってからジワジワっとくるな。桐野さんのアンテナはどこまでも果てしなく伸びてるなと感じる。やっぱり好きだ夏生ネェサン。
2007.07.01 Sunday | [カ行]桐野夏生 | comments(0) | trackbacks(1)