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2010.04.14 Wednesday | - | - | -
空飛ぶタイヤ
空飛ぶタイヤ池井戸 潤

単行本: 496ページ
出版社: 実業之日本社 (2006/9/15)
ISBN-10: 4408534986
ISBN-13: 978-4408534985



2段組でこんな分厚い本…期限までに読了なんてムリだと思ったらとんでもない!止まらない止まらない。池井戸さん初読みでしたが追っかけ決定です。先日の直木賞候補作品となった本作品。赤松運送のトラックが母子死傷事故を起こすところからスタート。誰もが思い浮かべるのはそうあの痛ましい事故。事故原因は整備不良なのかそれとも…。赤松社長の目の前に立ちはだかった壁は高く庶民の無力さをまざまざと見せ付けられることに。それでも大企業を相手に決して屈さない赤松社長。誠実で実直(同じ意味でもあえて重ねる)な姿勢に何度も目頭が熱くなる(泣)。同年代の中小企業社長にどっぷり思い入れちゃいましたね。すばらしいオトコなのよ…それだけに私の頭ン中は権力への不信感でパンパン。本を読んでいないときもフツフツと怒りが込み上げてきて…正直疲れました。隠蔽工作を企む経営陣は自らを正当化することばかり…人として大切なものをどこかに置いてきちゃったんですね。被害者への思い、家族や従業員への愛…オトコ赤松社長の生き様をぜひ味わっていただきたい。今日出張に出かける夫に持たせたい一心で昨夜睡魔と闘いながら読了したのでラストの記憶がどうもアヤシイ(汗)がホントにオススメ本。そうそう息子拓郎くんとの信頼関係もすばらしい!世のお父さん方必読です。ネタバレになりますが…
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2007.01.28 Sunday | [ア行]池井戸潤 | comments(0) | trackbacks(0)
ナイチンゲールの沈黙
ナイチンゲールの沈黙海堂 尊

単行本: 413ページ
出版社: 宝島社 (2006/10/6)
ISBN-10: 4796654755
ISBN-13: 978-4796654753



相変わらず慣れるまで読みにくいですね(笑)。『チーム・バチスタの栄光』とは全くの別物。東城病院小児科病棟の看護師浜田小夜の担当は眼球を摘出しなければならない難病に侵された子供たち。少しでも心の負担を軽減するため不定愁訴外来田口Dr.にサポートしてもらうことに。ところがある日患者牧村少年の父親が殺され犯人探しがはじまる…。医療ミステリとはいえ謎解きにややこしい手法が使われるのがきつかったな。現実離れしていてさらに難解なためもひとつ踏み込めなかった感がある。しかしながら抱えきれない運命を懸命に受け入れようとする牧村少年やアツシ少年の存在はドーンと大きくのしかかった。子を持つ親としては小児病棟はつらいです(泣)。微笑ましかったのはMRI検査をする放射線科島津Dr.と子供たちとのやりとり。クチの悪い島津Dr.が子供たちの心をしっかりつかむあたりでフワッと救われる。今回は田口Dr.も厚生労働省の変な調査官白鳥も前作よりは影薄し。『螺鈿迷宮』も手元にあるんだけど…とりあえず今はおなかいっぱい。
2007.01.25 Thursday | [カ行]海堂尊 | comments(0) | trackbacks(0)
ダブル
ダブル永井 するみ

単行本: 428ページ
出版社: 双葉社 (2006/09)
ISBN-13: 978-4575235616
ASIN: 457523561X



一気読みさせるパワーあり。『週刊フィーチャー』の記者相馬多恵がホントに書きたいのは「人間の不思議さ・しぶとさ・哀しさ」。ある日起きた江戸川区葛西での交通事故。事件なのか事故なのか…被害者キャラクターがどうも気になり取材を始めた多恵。一方幸せを絵に描いたような乃々香は妊娠4ヶ月。心静かに時を過ごすはずの妊婦…穏やかな顔の下に不気味な空気を漂わせている。決して意外な展開というわけでは…。しかしオンナの心理合戦がイイっすね。またこんな毒いっぱい小説にどっぷりハマってしまったよ。最近永井さんは敬遠してたんだけどまたちょっと読んでみようかなと思った。日常に潜む背中合わせの狂気に怯えてください。^^;
2007.01.16 Tuesday | [ナ行]永井するみ | comments(0) | trackbacks(0)
ほどけるとける
ほどけるとける大島 真寿美

単行本: 175ページ
出版社: 角川書店 (2006/07)
ISBN-13: 978-4048736961
ASIN: 4048736965



だいぶ短くってかなりユルユル。こんがらがった心の糸を少しずつほどいてゆく美和18歳の成長物語。高校を中退し祖父の経営する大和湯でふわふわバイト中。将来の夢なんて思いつかず人とのかかわりもわずらわしい。しかし番台に座っていると次第にいろんなものが見えてくる。来る人みんなが脱力している銭湯…異種多様な人々とのふれあいが美和の心を少しずつほぐしてゆくのです。なかでも私が好きだったのはゲーム好き弟智也とのやり取り。
姉ちゃん、悪いことは言わない、大和湯でバイトするくらになら、RPGやって知恵と勇気の使い方を学べ。

知恵と勇気。
知恵と勇気があれば、あの時べつの行動が可能だったのだろうか?
知恵はともかく、勇気がなかったのは確かだ。逃げ出したんだから。
(中略)
勇気と無鉄砲は似て非なるものなんじゃないか?無鉄砲。無鉄砲か。どうもそっちだよね。あたしの場合。
こんな感じでけっこうすんなりと弟の言葉を受け入れる美和。どうしても我が家の姉弟に置き換えて考えてみたくなる(笑)。とにかく目標さえ見つかれば突っ走れる青春時代。美和ちゃんどうか夢を叶えてステキな人生を!受験真っ只中のムスメに投影して浸読。大島さんは初読み。心地よい文体で熱くもなくぬるくもなく淡々としてイイ感じ。このクダリも鋭いよな。
年季の入った女たちのおしゃべりの難易度はけっこう高い。どこかに多量の毒を孕みつつ、表面的にはたいして誰も傷つかないですいすい前へ進んでいく。眺めながら、あんなふうにするすると綱渡りみたいに誰かと関係して行くなんて自分には百年経っても無理なんじゃないかと思え、ため息が出そうになった。
綱渡り…まさに。でも「百年経っても無理?」イエイエそんなことはありません。必ずやそんな力が備わりまする…オーホッホッ(笑)。
2007.01.15 Monday | [ア行]大島真寿美 | comments(5) | trackbacks(1)
月光
月光誉田 哲也

価格: ¥1,680(税込)
単行本: 332ページ
出版社: 徳間書店 (2006/11)
ISBN-13: 978-4198622503
ASIN: 4198622507


ミスった…『幼い娼婦だった私へ』の次に読む本じゃないわ。オトコの視点に立った展開でやな感じだった。タイトルはベートーベンの「月光」からきてるわけだけど…ベートーベンが泣くね。優しく美しいおねえちゃんが同級生のバイクに轢かれて死んでしまう。妹は事故の真相を知ろうと探り始めるがそこには信じられない姉の姿が次々と浮かび上がる。まずこの妹がおねえちゃんの死を引きずってるようで引きずってないような妙な違和感あり。読みやすいのでグイッと引き込まれるけど読後感はよくない。感情移入できる人物もいなかったし…。人間というものは理性があるんじゃなかったか。引くなぁ〜みんな自己中で…。ふーっぅ疲労感がどっと…。
2007.01.09 Tuesday | [ハ行]誉田哲也 | comments(0) | trackbacks(0)
幼い娼婦だった私へ
幼い娼婦だった私へソマリー・マム

単行本: 222ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/07)
ISBN-13: 978-4163664101
ASIN: 4163664106



幼いころから奴隷のように働かされ、おぞましいほどの暴力・レイプ・少女売買を体験してきたソマリー。現代において今もなおソマリーのように苦しめられている少女たちが存在するという信じられない現実。彼女たちを救うためアフェシップ(Afesip=困窮する女性たちのために行動する会)を立ち上げ少女売買の実態を告発し闘い続けるソマリーの叫びが綴られている。どうすると人はこんな酷いことができるのだろうか。慣習や迷信や貧困等々…少女たちは親の所有物として虐待され挙句の果てに買春宿に売られてしまう。耳を覆いたくなる少女たちの証言には耐えられず何度か本を閉じた。手を差し延べられ地獄から抜け出そうとするたびに裏切られまた失望するという日々。人の命があまりにも軽いのだ。それらすべてまかり通ってしまう衝撃。この本を通して「どこかの国で起こっている酷いこと」としてではなく勇気ある告発にしっかりと目を向けて現実を知って欲しいと思う。私たちは知らな過ぎる!しばらく引きずりそうだけど…勇敢なソマリーの存在を知ることができた。ソマリーに心静かな日々はやってくるのか…どうか1日も早くその日が訪れますように。翻訳に多少違和感を感じながら読了。
2007.01.06 Saturday | [サ行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)