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2010.04.14 Wednesday | - | - | -
風が強く吹いている
風が強く吹いている三浦 しをん

単行本: 512ページ
出版社: 新潮社 (2006/9/21)
ISBN-10: 4104541044
ISBN-13: 978-4104541041



いやはや参りました…しをんさん。今まで読んだ三浦作品は3つ。微妙なズレを感じながらもおもしろかったんです…それはそれで。しかしこの作品はもう無条件にガッチリときました!ズバリ箱根駅伝ものです。一度は挫折した陸上バカが仲間10人と無謀にも箱根駅伝を目指し再生してゆく物語。キャラもいろいろ取り揃え長いけど飽きさせない構成となってます。だいたい駅伝だのマラソンだの…ほとんど動きのないあのテレビ中継を観続ける人の気が知れないと常々思っていたんですが今度の箱根駅伝はハッキリ言ってしっかり観ます!そしてアチコチで繰り広げられてるだろうドラマに思いを馳せ…走(かける)やハイジを探してしまうかもしれません。フツーに考えたら箱根駅伝への道はそんなに甘いもんじゃないはずだし…そもそも無理やりメンバーになった面々があそこまで頑張れるはずもない。まぁそれはこっちに置いといてもです。走ることへの一途な姿は非常に強く美しかった。オトコの夢と友情にもう何だかやたらと泣けて泣けて仕方なかった。今度生まれ変わったらやっぱオトコだなと(笑)。装丁もかなり個性的で楽しいものになってるし私の好きなソフトカバーだし魅力満載の本…買いですねコレは。できればお正月の箱根駅伝までにどうぞ。
2006.11.29 Wednesday | [マ行]三浦しをん | comments(0) | trackbacks(0)
配達あかずきん
配達あかずきん大崎 梢

単行本(ソフトカバー): 240ページ
出版社: 東京創元社 (2006/5/20)
ISBN-10: 4488017266
ISBN-13: 978-4488017262



いやー久々に大腕を振って「面白かったー」といえる作品でした。あちこちで「本好きにはたまらない」という声を聞き信じて読んでみたら大正解。書店モノ本はいろいろあるようだけど私は初めて。大崎梢さんのデビュー作なんですね…すばらしい。駅ビルの中にある成風堂書店。職務を立派に全うしようとお客様にいつも誠実な書店員杏子と学生アルバイトの多恵。二人のコンビはさまざまな謎解きを鮮やかにクリアしてゆきます。本屋さんでの数々のエピソードが軽めのミステリーとなっています。5編の短編はどれも思いやりがあふれていて実にいい気分で楽しめました。まず1篇目『パンダの囁き』の暗号謎解きですでにやられました。で次の『標野にて 君が袖振る』が何だかとってもよかったなぁ。イイ男はみんなの心の中に生きているって感じでね。本好きにはワクワク度倍増の一冊…そして一度は本屋さんで働いてみたいと本気で思ってしまう本。これ現在本屋さんで働いてる方にはたまらないでしょうね。巻末の書店員さんたちの座談会も興味深くじっくり読んでしまいました…オススメです。続編『晩夏に捧ぐ』もすでに出版されてるそうで…ぜひ早めに読んでみたいな。
2006.11.18 Saturday | [ア行]大崎梢 | comments(0) | trackbacks(0)
闇の底
闇の底薬丸 岳

単行本: 287ページ
出版社: 講談社 (2006/9/8)
ISBN-10: 4062135280
ISBN-13: 978-4062135283



深い闇でした。私には闇の底ははかり知ることはできなかった。性犯罪者による幼女殺害事件が起こるたびにひとりまたひとり、かつて同じ罪を犯してきた者たちが何者かに殺されてゆく。子どものころ幼い妹を同様の事件で亡くした長瀬は刑事としてまた被害者家族のひとりとしてこの事件にどう立ち向かうのか。一体犯人は誰なのか…。つらい事件の続発に寒気がしました。歪な愛はどうして生まれてしまうのかと。最後まで気を抜くことはできず一気に読めるのだけど同時に最後まで理解に苦しむ心理でもありました。もう少し温かみが欲しかった気がします。しかしあの終わり方はどうなんだろ…。意図的なんだろうなきっと。
2006.11.17 Friday | [ヤ行]薬丸岳 | comments(0) | trackbacks(0)
毒 Poison
毒 poison深谷 忠記

単行本: 393ページ
出版社: 徳間書店 (2006/08)
ISBN-10: 4198622043
ISBN-13: 978-4198622046



とんでもなく嫌なヤツが出てくるので覚悟の程を…。 許せない「毒のある人」という意味でのと「毒を盛る」という意味での直接的な。2つの毒が交錯する病院を舞台にしたミステリー。ちょっとしたトリックもあって楽しめると言えば楽しめましたが犯人探しよりも毒人間の存在に腹が立って腹が立って仕方なかったです。セクハラはもちろんパワハラやモラルハラスメントなどなど許せないヤツが多過ぎる!回りにいませんか?
2006.11.13 Monday | [ハ行]深谷忠記 | comments(0) | trackbacks(0)
心にナイフをしのばせて
心にナイフをしのばせて奥野 修司

単行本: 271ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/08)
ISBN-10: 4163683607
ISBN-13: 978-4163683607



高校1年生になったばかりの被害者は同級生にナイフで殺害され、こともあろうに首を切り落とされたのである。あの「酒鬼薔薇事件」と同様の事件が28年前にも起こっていた…。猟奇的な事件ということでは同様の事件といえなくはないけど根本的に違うような気はします。少なくともこの加害者Aには「ちょっかいをだされていてイヤだった」という理由があるということ。起こした事件は肯定されるはずもないのですが…最近いじめの問題が大きく取り上げられるなかこのことは外して考えてはいけないと思うんです。
若さは時折、残酷なことをする。遊んでいるつもりが相手を傷つけることもある。お互いにやったりやられたりは、成長の段階で必ずある。度が過ぎたために、Aからこっぴどい反撃をくらったのか。それともAが被害妄想的に過剰反応したのか。どちらにしても、人を殺していいという免罪符にはならないことは言うまでもない。
この事件で被害者となった一家の苦悩の日々を著者が遡って取材していますが、ルポっぽくない語り口なので途中で何度も「小説なんじゃないか」と錯覚させられました。だから癒えることのない遺族の悲しみや少年法への疑問がかえってリアルに伝わったのかもしれないなと…。改めて怖くなったのは少年犯罪に限らず家庭環境が人生に大きく影響を及ぼすということ。子どもを育て社会に送り出す責任の重さをいまさらながら痛感しました。被害者家族の心情は察するに余りありますがそれだけではなくいろいろと考えさせられる一冊でした。
ちょっとネタバレになりますが…
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2006.11.09 Thursday | [ア行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)
デッドエンドの思い出
デッドエンドの思い出よしもと ばなな

文庫: 245ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/07)
ISBN-10: 4167667029
ISBN-13: 978-4167667023



つらく切ない恋が5編。人と人との距離感がたまらないです…ばななさん。洋食屋の娘せっちゃんとロールケーキ屋の息子岩倉くん。社食のカレーでエライ目にあった松岡さんと恋人のゆうちゃん。小説家のみつよと幼なじみのまことくん。デザイン会社に勤めるともちゃんとあこがれの三沢さん。大失恋をしたのミミちゃんと西山くん。外から見ればなんでもない日常で普通に生活している大部分の人たち。それでも心の中ではもがき苦しんでいるかもしれません。身にしみる普通でいることの幸せ、家族のありがたみ。表題作『デッドエンドの思い出』についてばななさんがあとがきで
これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。
とおっしゃってます。またイイ本に出会えました。
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2006.11.01 Wednesday | [ヤ行]よしもとばなな | comments(2) | trackbacks(0)