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2010.04.14 Wednesday | - | - | -
永遠の出口
永遠の出口森 絵都

文庫: 353ページ
出版社: 集英社 (2006/2/17)
ISBN-10: 4087460118
ISBN-13: 978-4087460117



ひとりの少女の小学生から高校卒業までの成長物語。よかった…森絵都さんの中でイチバン好きかもしれない。「永遠の出口」を探しながらフワフワとさまよう少女の気持ちがホントにみずみずしく繊細に描かれていて手に取るように伝わってくるんです。胸がキューッとなるような切なさが手に取るように…。私が遥か彼方に置き忘れてきた幼い友情や大人への反発や淡い恋や…いろいろな感情を絵都さんはどこかに仕舞っておいたのだろうか。そしてするするっと引き出しを開けるようにして書き始めるのだろうか。読み終えた今…タイムスリップした私がまるで自分自身の少女時代を一緒になぞって成長してきたようなそんな気分になってます。これはすっかり成長してしまったかつての少年少女たちへ贈る思い出のアルバムのよう。恐ろしく懐かしい風がこんな私の心にも吹き抜けました。青春真っ只中の若者なんかじゃなく、もうとっくの昔に終わってしまった私たち世代にこそわかる魅力が満ち満ちています。絵都さんステキ…一生ついていきます!
2006.08.23 Wednesday | [マ行]森絵都 | comments(0) | trackbacks(0)
赤い指
赤い指東野 圭吾

単行本: 270ページ
出版社: 講談社 (2006/7/25)
ISBN-10: 4062135264
ISBN-13: 978-4062135269



東野さんの新刊…「家族の絆」について考えさせられます。ずっと家族の問題に目を背けてきた夫、恐ろしく自己中心的な妻、愚かな両親が過保護に育てた息子、認知症の老母。今どき探せばどこにでもあるような家庭に日常渦巻く憂鬱気分なんて吹き飛ぶようなとんでもない悲劇が起こった。とにかくこの妻と息子はもう論外、そのやりたい放題の妻や暴れる息子に文句も言えないこのオトコ。家族の守り方をはきちがえ…いったいどこまで情けないのか。腹が立って腹が立って…でもこれ東野さんのオモウツボですね。途中で中断するなんてとてもとても出来ませんでした。そして最後はグッと泣かされます。特に私たち世代が抱える介護問題や教育問題から加賀恭一郎氏の親子関係までてんこ盛り。実は加賀さんファン。彼が言った「理解できなくても尊重することだ」という言葉…今の私には重かった。
2006.08.21 Monday | [ハ行]東野圭吾 | comments(0) | trackbacks(0)
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生山田 宗樹

単行本: 381ページ
出版社: 幻冬舎 (2003/01)
ISBN-10: 4344002857
ISBN-13: 978-4344002852


ずっと読みたかったのに今頃になってしまって…。見事なまでの転落物語。中学教師だった松子の波乱の人生をノンストップで読ませます。伯母松子の存在を全く知らずに大学生になった甥っ子…川尻笙が何者かに殺された伯母松子の太く短い一生をたどる羽目になる。世間知らずの新米女教師が遭遇した出来事が彼女の背中をトンと押したかのように…。松子の生涯はことごとく男に狂わされ坂を転げるように下ってゆくことになるのです。「思い込んだら命がけ」というフレーズがピッタリの人でそのエネルギーがどうしても負の方へ向かってしまうんですね。客観的には最後まで救いがないように思えますが松子自身は思うままに精一杯生きてきたこの人生を後悔していないかもしれません。そしてこの壮絶な松子の生き様は笙の今後の人生に大きな影響を与えたことでしょう。笙の将来が気になります…。
2006.08.20 Sunday | [ヤ行]山田宗樹 | comments(0) | trackbacks(0)
温室デイズ
温室デイズ瀬尾 まいこ

単行本: 203ページ
出版社: 角川書店 (2006/07)
ISBN-10: 4048735837
ISBN-13: 978-4048735834



瀬尾さんらしいソフトな装丁を開くと一転、冒頭の一節から波乱の予感。今回はかなり重かったです。いじめられても耐え続けるみちるとそれを見ていられず別室登校する優子。「このままじゃいけない」と思う気持ちは一緒なのに戦い方の違うふたり。それぞれの葛藤が描かれてます。現実にあんなヒドイことが起こっているのだろうか。瀬尾さんは現場でこれと似たようなことを体験したのだろうか。いじめの描写はイヤですね。ほころびは見つけたらすぐ繕わなければどんどん大きくなってしまうのに見てみぬ振りをする教師、子供を全然わかってない親。大人たちの無力さに寒気がしました。どんなに問題提起されてもなくならないいじめ。やりたい放題の子供たちにとって中学校なんて親なんてチョロいんですよ。まさに『温室』。現役中学生はこれ読んで何を感じるのだろう。ウチにもひとりいるぞ…読ませてみるか。
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2006.08.13 Sunday | [サ行]瀬尾まいこ | comments(0) | trackbacks(0)
ドラママチ
ドラママチ角田 光代

単行本: 265ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/06)
ISBN-10: 4163249702
ISBN-13: 978-4163249704



コドモマチ・ヤルキマチ・ワタシマチ・ツウカマチ・ゴールマチ・ドラママチ・ワカレマチ・ショウカマチの8篇。『マチ』は『待ち』と『街』を掛けた上手いタイトル。『待つ』ということは「待ってるものが来れば事態は前に進む」わけですが、『待つ』こと自体私はどうだろと考えると意外と「待てる」かもしれないな…なんて。1編に1軒必ず登場する趣のある喫茶店は効果的。あそこらへんは『喫茶店』多いのでしょうか…?
ゴールマチにこんなくだりを見つけて思わず「私と一緒だ…」と。これ結構やってた方いらっしゃるんじゃないかな(笑)。
私もキクヨも、購買雑誌は一種類のみと決められていて、だから私は「りぼん」を、キクヨは「なかよし」を毎月親に買ってもらい、読み終えて交換する。

2006.08.11 Friday | [カ行]角田光代 | comments(0) | trackbacks(0)
風に舞いあがるビニールシート
風に舞いあがるビニールシート森 絵都

単行本: 313ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/05)
ISBN-10: 4163249206
ISBN-13: 978-4163249209



直木賞受賞作品。大人向けの森作品は初めてだったので妙な違和感が残ります。6つの物語は全く異なる世界を描いているのに「自分の一番大切な何かを見つめなおす」という共通点がズシンと来ます。それも実に繊細に丁寧に…。少々実直すぎて噛んでも噛んでも飲み込めないって感じも…ちょっと遊びがないなぁと。表題作『風に舞いあがるビニールシート』は社会問題についても夫婦関係についても考えさせられる作品でした。でも私は直球の『ジェネレーションX』がよかったです。やっぱ森さんは青春モノでしょう。
2006.08.10 Thursday | [マ行]森絵都 | comments(0) | trackbacks(0)
宇宙のみなしご
宇宙のみなしご森 絵都

単行本: 205ページ
出版社: 講談社 (1994/11)
ISBN-10: 406207334X
ISBN-13: 978-4062073349


やっぱ森さんはこうじゃなきゃ!いつも忙しい両親…陽子とリンは幼い頃からいつも2人でおもしろいこと考るのが好きな年子の姉弟。そして2人は中学生…夜な夜なよそのお宅の屋根に登ることが密かな楽しみとなった。姉弟の関係がウチとかぶります。こんなステキなもんじゃないですけどほんの少しだけ。友達とのスタンスも誰かに似てるぞ(笑)。なぜタイトルが『宇宙のみなしご』なのか…オチは終わりに近くなるとわかるのですがこれが効いてます。「どんなに辛く苦しい時も自分自身で考えて乗り越えなければダメなんだ!」と…この年になってもなお深く頷く。早めに読んどきましょう…青少年たち。そうそう2人の様子をさりげなくチェックしてくれる母の友人さおりさんの存在は魅力的でした。いつものコトながら遥か昔に思いを馳せてしまいますね。今回は心の奥底に埋もれてしまった「友情」とうい感情をズルズルっと引っ張りだしてもらった気がします。ウー…最近さわやか物語が多くって解毒されっぱなしだ。だ・だれか毒を…。
2006.08.10 Thursday | [マ行]森絵都 | comments(0) | trackbacks(1)
14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー
14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー窪田 順生

単行本: 218ページ
出版社: 小学館 (2006/4/1)
ISBN-10: 4093897026
ISBN-13: 978-4093897020



ノンフィクションはほとんど読みません。初めてといってもいいかもしれない。shortさんの記事に触発されました。さまざまな凶悪事件が後を絶たないなか、ことこの前代未聞の事件に関しては発覚当初から驚愕と疑問が頭のなかを渦巻いていたのでタイヘン興味深く読みました。幼い少女を監禁し9年間という長い間自由を奪った男、そして階下に同居しながらそれに気づかなかったという母。「なぜ同じ屋根の下で暮らしていながら9年間も気づかなかったのか」とこの母に詰め寄りたくなるのは誰も同じだろうと思います。著者は母を取材することでこの事件の背景を探ろうとするんですが持病を抱え年老いた母を取材と称して追い詰める様は少々痛々しかったです。だからといって決して許されるものではなく、親として我が子が自立し社会に出てゆくまでの責任は非常に重いわけで…気づくと自分の今までの子育てを振り返ったりしてました。しかし何かがおかしい。どんな理由があろうとも憤りは消えません。
2006.08.04 Friday | [カ行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)