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2010.04.14 Wednesday | - | - | -
強運の持ち主
強運の持ち主瀬尾 まいこ

単行本: 224ページ
出版社: 文芸春秋 (2006/05)
ISBN-10: 4163249001
ISBN-13: 978-4163249001



瀬尾さんの新作。ひとりが気楽…とOLを辞めてショッピングセンターの片隅で占いを始めたルイーズ吉田。そこへやってくるさまざまな人たちとの物語4編。そこへ重なる一緒に住む強運の持ち主通彦への想い。少しずつ少しずつ通彦の大切さを確認してゆくルイーズが実に微笑ましい。ゆるりとした柔らかい読後感です。瀬尾作品の魅力はこの類の読後感と食べ物描写です。今回は随所に登場する通彦の手料理で楽しませてもらいました。
通彦に促されて、私は手を合わせてから、てんぷらに箸を伸ばした。海老やサツマイモ以外にも、菜の花や蕗の薹などの春を待つ野菜が揚げられている。まだまだ寒いけど、もう三月も終わろうとしているのだ。
そして抹茶塩ならぬ昆布茶塩でいただくシーン。うーんおいしそうだよ通彦さん。食べることばかり考えてる私にとってはポイント高いんです(笑)。装画はコイヌマユキさん…かわいいですね。とてもこの本にマッチしてます。読んでみるとやはり癒されるのは瀬尾さんの魅力ですね。
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2006.05.30 Tuesday | [サ行]瀬尾まいこ | comments(0) | trackbacks(0)
眠れぬ真珠
眠れぬ真珠石田 衣良

単行本: 304ページ
出版社: 新潮社 (2006/4/27)
ISBN-13: 978-4104595020
ASIN: 4104595020



バリバリ恋愛小説です。奇しくも私と同い年の銅版画家咲世子と17才年下の素樹…年齢差を超えた愛。老化に怯えるナーバスな年齢です確かに。それでも17才年下のオトコと愛を育むことができるなら心は豊かになるでしょーね(たとえば永井大くん17才年下デス♪…余談ですねハイ)。少女のような心で素樹を愛する咲世子。子供がいない芸術家咲世子さんだからこそ出来た恋愛ではなかったか。たとえば自分に置きかえてみて(置きかえるな…)子供のことが頭の中をグルグル回ってたら興ざめですよ(-_-;)。せっかく石田さんが夢のような愛の世界にいざなってくれたんですからウットリ読めればよかったんですが残念ながら感情移入が…(泣)。作家さんの顔が見えてしまうのもどうなのかと。最近石田さんよくTVで見るんですが…あのお顔か浮かんでは消え(笑)。読みが斜めですか?僻みかもしれませんね。どこかに年上好きのイケメンはいませんか…

2006.05.23 Tuesday | [ア行]石田衣良 | comments(0) | trackbacks(0)
厭世フレーバー
厭世フレーバー三羽 省吾

単行本(ソフトカバー): 227ページ
出版社: 文藝春秋 (2005/8/3)
ISBN-10: 4163242007
ISBN-13: 978-4163242002



いやいや想像以上の面白さでした!三羽省吾さん…いいっすね。目次を見て「14歳男子の成長物語的作品なんだわきっと」なんて思い「息子にピッタリ♪」といそいそ借りてきたのですが見事に違いました(いやでも…違うとも言い難い)。これは意外に大人テイスト。突然いなくなった父親。残された家族、14歳ケイ・17歳カナ・27歳リュウ・42歳母・72歳爺さん…のそれぞれの厭世的状況が順番に綴られるんですが(実は厭世って言葉の意味が曖昧で調べました。お恥ずかしい)エピソードが重なっていくたびにまたひとつこの一家の謎が解けるという構成が実によかったです。軽妙な文体にも何度も吹いたし…家族に不安の影を落とし居なくなった主は意外と魅力的なヤツだったんじゃないかと思わせて終わってる感じもイイ。しかし崖っぷち家族の再生物語としてはちょっと出来すぎの感は否めず…。読後感がよかったから…まっいいんですけど。14歳ケイの章ではみずみずしい感じだし72歳爺さんの章では悟った感もある。作者はいったい若者なのかおじさんなのか!すると…ハハハなんだやや世代じゃないの。ほ〜ぅ…ますます好感がもてますな。デビュー作『太陽がイッパイいっぱい』を早速予約!次回作も期待大♪
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2006.05.22 Monday | [マ行]三羽省吾 | comments(0) | trackbacks(0)
ゆりかごで眠れ
ゆりかごで眠れ垣根 涼介

単行本: 495ページ
出版社: 中央公論新社 (2006/04)
ISBN-10: 4120037177
ISBN-13: 978-4120037177



図書館に取りに行ったら結構分な厚さに…うゎー読めるかな?と不安に。しかし今回も一気に読まされました。絶対苦手なタイプだと思っていた『ワイルド・ソウル』に魅せられたのが最初…『君たちに明日はない』に続きこれが3作目。垣根作品はパワフルですね…読み応えありです。前半はコロンビア・マフィアのボスにのし上がるまでの壮絶なリキの半生。そして後半はリキが浮浪児カーサのパパとなりながらもたくさんの部下を従えてコロンビア・マフィアのボスを全う。結末はだいたい想像がつきましたけど引っ張られます。何といってもこのカーサの存在が大きいのです。幼い心の闇を思うと胸が締め付けられます。彼女がどんな女性に成長してゆくのかがとても気がかり…。マフィアのボスが美化されちゃってる感は否めませんがやっぱカッコイイオトコはいいですよね。それにしてもアチコチで書かれてる「腐敗した日本の警察」描写にまたかと思いましたがしょうがないんでしょうかね。
2006.05.18 Thursday | [カ行]垣根涼介 | comments(0) | trackbacks(0)
東京タワー
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~リリー・フランキー

単行本: 450ページ
出版社: 扶桑社 (2005/6/28)
ISBN-10: 4594049664
ISBN-13: 978-4594049669



リリーさんといえば後にも先にもフジTV「ミラクルタイプ」のリリーさんしか知らない私。イラストや文章を書いてる方という認識もなく…本が売れ出したのを知って「あのリリーさんが?」とビックリしたものです。さて本編…実に泣かされました。母親ネタは反則ですね…大抵やられます。小説というよりは限りなく自叙伝。ただ彼の半生というよりは彼の半生の「母に対する思い」を凝縮したような本。主人公は私とほぼ同世代。時代背景に身に覚えがある分、親孝行しなけりゃって気持ちに拍車もかかる…。
どれだけ親孝行をしてあげたとしても、いずれ、きっと後悔するでしょう。
あぁ、あれも、これも、してあげればよかったと。(本文より)
私の母は健在です。普段は考えもしない確実に近づいてくる「逃れられない悲しみ」にものすごい恐怖を感じました。耐えられるのかと。…で身の置きどころを変えれば私がオカンです。ウチの息子が私を看取るとき彼の心にはどんな思いが巡るのだろうとも考えました。明日母の日ですね…。ここまで書いてもらえるオカンはオカン冥利につきますよ。賛否両論あるようですがリリーさん私は好きです。
たわむれに母を背負いてそのあまり軽さに泣きて三歩あゆまず 石川啄木
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2006.05.13 Saturday | [ラ行]リリー・フランキー | comments(0) | trackbacks(0)
愚行録
愚行録貫井 徳郎

単行本: 272ページ
出版社: 東京創元社 (2006/3/22)
ISBN-10: 4488023878
ISBN-13: 978-4488023874



すべて一方的な語り口調…これがかなり効果的。これといったつかみどころもないままどんどん進みます。読後感はよくないです…でも止まりませんでした。こういう本を形容するときはどーしたらいいんでしょうね。「よかった」でもなく、「面白かった」でもなく、ましてや「オススメ」でもなく…。ある日一家惨殺事件が起こるわけですがこの事件を本にするというルポライターが被害者の関係者にインタビューをして回ります。興味深い生前の被害者像が次々に浮かび上がるのですが…それと並行して登場するのが妹がお兄ちゃんに語りかけるという一見無関係なパターン。これがどこで接点を持つのか、どういう展開になるのかまったく見当がつかないまま。登場人物や時系列を注意深く考えつつ読みましたが結局最後まで引っ張られることに。トリッキーな感よりもなんだか薄ら寒くなる結末…。まさに愚行録です。
2006.05.11 Thursday | [ナ行]貫井徳郎 | comments(0) | trackbacks(0)
チェケラッチョ!!
チェケラッチョ!!秦 建日子

単行本: 188ページ
出版社: 講談社 (2006/02)
ISBN-10: 4062133059
ISBN-13: 978-4062133050



息子がTVで映画のCMを観て「これ面白そーだなぁ」と言ったもので原作を読まそうと借りてきた…ものの2時間で読了。「面白かった?」と聞くと「うん…」と多くを語らない。
面白くないわけないのだ…一気読みしてたんだから。読んでみてわかりましたよ。キスだのセックスだのというワードがワンサカ登場するもんで手放しに「面白かったよ」と言うには照れがあったんでしょ(笑)。沖縄を舞台にした非常にわかりやすい青春ラブストーリー。ひょんなことからラップを始める高校3年生男子3人組。そしてそれを見守る女子…唯。微笑ましいの…カワイイんですよ。これは音楽ネタってこともあって映画の方が面白いかもですね。映画のキャストを思わずチェックしちゃいました。ラップでラブでライブでピース。オレンジレンジで魅力倍増だろうな。
2006.05.11 Thursday | [ハ行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)
陰日向に咲く
陰日向に咲く劇団ひとり

単行本: 220ページ
出版社: 幻冬舎 (2006/01)
ISBN-10: 4344011023
ISBN-13: 978-4344011021



いいんじゃないですか?劇団ひとりクン。読み始めは劇団クンの顔が浮かんでしまって入り込めなかったけどそれはホント初めだけ。読めば読むほど味が出る5編の連鎖短編集。人生の節目で何気なく関わった人たちをさらっとつなげてくあたりが絶妙です。ページが進むにつれ「どう関わってゆくのか」がとても気になり引き込まれるんです。軽快な文体に不思議な味がある…タイトルも深い。次の劇団クン作品もぜひ読んでみたい。サクっと読めちゃうので手にとってみる価値あり。
2006.05.06 Saturday | [カ行]その他 | comments(0) | trackbacks(0)
町長選挙
町長選挙奥田 英朗

単行本: 258ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/04)
ISBN-10: 4163247807
ISBN-13: 978-4163247809



待ちに待った伊良部先生。夫がグズグズ読んでる隙を見てさっさと読了。あ〜面白かった。奥田さーんこんなに書いちゃって大丈夫?とハラハラしてしまうリアルさ。多分あの大物オーナー、きっとあの元IT社長、おそらくあのカリスマ女優と容易に思い浮かぶ登場人物。やることなすことありえない…のに何気ない一言が患者の心を癒す天才精神科医。ハチャメチャぶりは健在ですが今回は患者さんのキャラが濃かったですかね。でもこれはこれで私は好きです。特にオーナーの落としどころなんてさすがです。伊良部先生が誰かれかまわず浴びせる失礼な言葉の数々はTVを見てる側の自分のような気もしたりして(笑)。本人に直に言っちゃう伊良部先生…腹ン中にはなーんにもないんだろーなー。うらやましい…ある意味この人健全だなと思うんですよね。次回作もまた期待です。
2006.05.02 Tuesday | [ア行]奥田英朗 | comments(0) | trackbacks(0)