角田 光代
単行本: 346ページ
出版社: 中央公論新社 (2007/03)
ISBN-10: 4120038165
ISBN-13: 978-4120038167
これは面白かった…今までの角田さんとちょっと違う。『対岸の彼女』なんかより全然好きだ。前半は不倫相手の妻が産んだ子を誘拐してしまった希和子の逃亡劇。次第に深くなる「薫」と名づけた子供への愛情。あまりに一途な希和子の母性に「どうか捕まらないで」と思ってしまうのはダメだろうか?逃亡のスリルと歪んだ母性のダブル攻撃で一気に引き込まれる。そして印象に残るのは逃亡中ふたりに関わる人々…。家族って血が繋がってるってことじゃないなと思う。子供は親を選べないしね。後半は本来居るべきところに戻った「薫」のその後。自分の存在を自問自答しながら成長する「薫」は不憫でもあり頼もしくもある。「どうか幸せになって」と祈らずにはいられない。読後感もタイトルもイイね。最後のシーンは血ではなく心で繋がる母の切ない心が染み入るようで…泣けました。
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