連城 三紀彦
単行本: 262ページ
出版社: 朝日新聞社 (2002/02)
ISBN-10: 4022577215
ISBN-13: 978-4022577214
発売日: 2002/02
途中で『火のみち』を読んじゃったのでずいぶん時間がかかっちゃいました。いや〜切ないです。何の罪もない少女が犠牲になってしまうのです…。大人の身勝手な思いがひとりの少女の命を奪います。家族の心の中に潜む憎しみや後悔や情念がやがて少女への殺意へと変化してゆく理不尽さ。結局そんな家族全員の思いに殺されてしまったとしか思えず少女が不憫でなりません。それぞれの心の底にはドロドロとした思いが泥のようにたまっていたのだろう…吐き出さなければいつか爆発するものなのかもしれない。姉妹の憎悪が発端となるこの物語。姉の「子供の頃、妹だけを『可愛い』と褒めた大人たちの声」というクダリが何だか鈍く響いちゃって。最後に何かもう少し救いがあればと…
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